第10章 エア王国  〜2節 新たな貨幣〜

無責任な人権問題によって貧富の差が開き、失業者に溢れたエア王国は新たな政策を打ち出した。

仮想の貨幣を作り、国民に配ったのである。

まず、流通する金・銀・銅には限りがあるので、配れば無くなってしまう。
当然の事である。

しかしエア王国は、無いのに金と同等の貨幣を作り出した。

仕組みはこうだ。
・まず、実際の金で、道路や住居を作る資材を購入する
・それを作る作業を失業者にさせる
・失業者には給与として「金:〇〇〇枚」と証明書を出す
・その金の使い道は、エア国内の住居の購入や移動運賃のみに限定し、証明書から差し引いていく

この仕組みによって無いはずの金貨を作り出す事に成功し、
失業者は仕事がもらえ、都市が大きくなり、一大産業国家へと発展したのだ。